【阪急沿線おしらべ係 第46回】
阪急三番街にいつも流れている、"あの音楽"を調査!

【2023年3月配信】

読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを調査する、阪急沿線おしらべ係。
最近掲出した「大阪梅田駅のホームの床がいつもピカピカな理由を調査」「駅のホームで人が多い時に車両の扉をおさえてくれる黄色い服の人について知りたい!」と、阪急沿線にお住まいの方にとっておなじみの光景を掘り下げて調査した記事は、予想以上に多くの方に読んでいただき、おしらべ係取材班はとてもうれしく思っています!
さて今回も、長年疑問に思っている方が多い、この疑問がテーマ!

阪急三番街でいつも流れている“Have a nice time~”というフレーズの曲。昔から流れているけど、誰の何という曲なのか?

「阪急三番街」「Have a nice time」という言葉を聞くと、あの心地良いメロディーが頭の中に流れた方は多いのではないでしょうか?

いつから流れているのか?
誰が歌っているのか?
やっぱり音楽のタイトルは「Have a nice time」なのか……!?

気になるあの音楽を調べてきました!

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「Have a nice time~」は、いつから流れている?

耳に残るフレーズと、優雅なメロディー、のびやかで美しい歌声。まず調査は、阪急三番街の担当者へのインタビューからスタートすることに。

「館内で流れている音楽は『川の流れる街で』という阪急三番街のテーマソングで、1990年から使われています」

とのこと。


現在の阪急三番街入口の風景(2023年3月撮影)

タイトルは「Have a nice time」ではなかった……。

1990年の日本はどんな年だったかというと、大阪・鶴見緑地で花の万博の開催、スーパーファミコンの発売などがありました。「川の流れる街で」のメロディーにも、90年代はじめの雰囲気をどことなく感じますね。

では、阪急三番街のテーマソングについて、さらに深く掘り下げていきましょう!

問い合わせも多数、おなじみのテーマソングの今昔

阪急三番街を歩いていると、カフェの横に小さな川が流れていたり、大きな泉がある広場があったりと、水のある景観に出会います。

これは、阪急三番街(第一期)がオープンした1969年に造られたもので、「地下街に川をつくる」という計画は、当時としては画期的。世界初の試みとして各国からも注目を浴びるほどでした。


1969年のオープン直後の阪急三番街の様子

当時のテーマソングは、この第一期オープン時に作曲された「わたしとあなたの阪急三番街」と題した、宝塚音楽学校の生徒が歌う音楽だったとか。

続く1971年の第二期オープンでは、当時、宝塚歌劇団に所属していた星組トップスター・鳳 蘭(おおとり らん)さん、同組トップ娘役・大原ますみさんが歌う「愛の阪急三番街」というテーマソングにリニューアル。ただ、実際に館内で流れていたかどうかは定かではないそうです。


第二期オープンに合わせて登場した「滝のあるまち」

そして1990年、阪急三番街は開業20周年を記念してフレッシュアップオープン。

新しい街のコンセプトとして「ミュージアムステーション」を掲げ、阪急三番街のイメージアートとロゴマークを一新したほか、館内の各所にアート作品の展示や全店舗の改装などが実施され、大きく生まれ変わりました。

ちなみに、このイメージアートとロゴマークはフランスの画家ベルナール・ビュッフェ氏によるものだそう。街全体がアートであふれていたんですね。


フレッシュアップオープンした阪急三番街のイメージアートとロゴマーク(2023年撮影)

そして、この時誕生した新しいテーマソングのタイトルが「川の流れる街で」だったんです。

大規模なリニューアルが行われても、館内に流れるせせらぎや水の広場「トレビの広場」といった、水にまつわる施設は残され、歌のタイトルにも引き継がれた、というわけです。

過去のテーマソング

  • 1967年~ わたしとあなたの阪急三番街
  • 1971年  愛の阪急三番街(館内で流れていたのかは不明)
  • 1990年~ 川の流れる街で

「川の流れる街で」のテーマソングは、フレッシュアップオープン当日のセレモニーで生歌で披露され会場を盛り上げました。


フレッシュアップオープン時のセレモニーの様子(1990年5月撮影)

曲は、作詞を公文 健さん、作曲を石川大明さんが担当。

ちなみに公文 健さんの本名は小林公平さんで、当時の阪急電鉄の代表取締役社長です。

小林公平さんは、実業家でありながら作詞家としても活躍し、宝塚歌劇の演目の楽曲作詞も手がけていた人物。

歌詞には、阪急三番街から花開いていく人々の夢や希望が描かれています。
きっと、この先もずっとお客様に愛していただける阪急三番街であり続けることを、小林さんは願ったのではないでしょうか。


1990年のフレッシュアップオープン時に設置された水のオブジェ「アクアマジック」

その後も、たくさんのお客様に愛され続けてきた阪急三番街。

「川の流れる街で」が館内に流れるのは、毎日10時05分から20時まで、1時間に1回、毎時0分ちょうど。当時と変わらず、訪れた人に安らぐひと時を与えています。


阪急三番街「トレビの広場」の様子(2023年3月現在)

「実はこれまで、『川の流れる街で』という音楽は他にどこで聴けるんですか?という問い合わせや音源化の要望を、たびたびいただいてきました」

と、お客様の反響の大きさに驚く阪急三番街の担当者。

SNSでは「この音楽を聴きたいがために、阪急三番街に来る」といううれしい声もあがっているそう。

名曲の歌い手とは?

さて、そんな名曲を優雅に歌い上げる美声の持ち主とは……?

それは、俳優・歌手として活躍する島田歌穂さんです。


島田歌穂さん

1974年に子役デビューし、87年のミュージカル『レ・ミゼラブル』初演で脚光を浴びた島田さん。その出演回数は1,000回を超え、同作の世界ベストキャストにも選ばれ、英国王室主催のコンサートにも出演。参加した世界ベストキャストアルバムは、アメリカでグラミー賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を得ています。現在も俳優・歌手として、ミュージカルや舞台、映画の吹き替えなど多岐にわたって活躍中。またその才能を生かして大阪芸術大学で教鞭を執り、次の世代の育成にも力を入れていらっしゃいます。

島田歌穂公式ホームぺージ
http://www.shimada-kaho.com/

これまで数々の楽曲をリリースしてきた島田さん。
根強いファンの声にも後押しされ、ついに「川の流れる街で」は、2014年に発表したベストアルバム「MY GRATITUDE –All Time Best-」に収録されました。

そんな中、阪急三番街が開業50周年を迎えた2019年。

50周年を祝うスペシャル企画として、阪急三番街のステージで島田さんご本人が「川の流れる街で」を歌うという、貴重なイベントが実施されたのです!

「イベント当日は、島田さんの歌声を聴きながら、一緒に口ずさむお客様が多くいらっしゃいました」と、阪急三番街の担当者も感慨深かったとのこと。

島田さんが阪急三番街で「川の流れる街で」を歌われる、夢のような光景……。記念すべき日に、その場に居合わせた方がうらやましいです!

島田歌穂さんご本人に聞く!思い出のエピソード

現在も多方面で活躍される島田さん。ご多忙の中、今回なんとおしらべ係のために、質問に答えてくださいました!

――――「川の流れる街で」で、思い出に残っていることはありますか?

ミュージカル『レ・ミゼラブル』のロングラン(1987年)がスタートした3年後に、このレコーディングのご依頼がありました。多くの方の憩いの場である阪急三番街の新しい出発を飾るテーマソングを歌わせていただけるなんて夢のようでした。

レコーディング当日は、作詞をされた公文健さんもスタジオにいらして下さり、温かく見守って下さいました。

1990年に、阪急三番街の地下の噴水のある広場で、ドキドキしながらも初めて曲をお披露目させていただいたことも、忘れられない幸せな思い出です。

――――30年以上、「川の流れる街で」が阪急三番街のテーマソングとして使われていることについてどう感じられていますか?

レコーディング当時は、まさかこんなにも長い間、ずっと流し続けていただくなんて思ってもいませんでした。大阪在住の方に「Have a nice time〜」と一節歌うと、ほとんどの方が知っていらして、「あれ歌ってんの歌穂ちゃん?!」と皆さんびっくりされて…。あぁ、こんなに多くの方の心に留めていただいている曲なんだな、と感謝で一杯になります。

2019年、発表から30年振りに再び阪急三番街で歌わせていただいた時も、本当に感慨深いものがありました。

今でも大阪公演がある時は、必ず阪急三番街に足を運び、0分近くなるとふと足を止めて、嬉しく懐かしく、そっと聴かせていただいています。

――――最後に、おしらべ係の読者のみなさまへメッセージをお願いします。

30年以上もの間、多くの皆様に「川の流れる街で」をお聴きいただいておりますこと、ただただ感謝で一杯です。私にとって「川の流れる街で」は生涯の宝物です。これからもずっと皆様のお心のどこかに置いていただけたら嬉しい限りです!

まとめ

阪急三番街で流れる「川の流れる街で」の音楽が、30年という長い年月の中で、誰かの思い出を紡ぐものの一つになっているんだろうなと思うと、とても感慨深くなりました。
そして、島田さんの温かなお人柄を感じるメッセ―ジにも感激。島田さん、本当にありがとうございました。

みなさんにもこれまで以上に、阪急三番街と島田さんの歌声に、親しみを感じていただけたらうれしいです。

阪急三番街は過去のおしらべ係の記事「第7回 阪急○番街、何の数字?」でも取り上げていますので、よろしければご覧くださいね。

阪急三番街公式サイト
https://www.h-sanbangai.com/
阪急三番街グルメ公式Instagram
https://www.instagram.com/hankyu_sanbangai_official/

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、阪急沿線アプリで連携しているグループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)に対する質問も受け付けています。

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