【阪急沿線おしらべ係 第44回】
大阪梅田駅のホームの床がいつもピカピカな理由を調査

【2023年1月配信】

このコーナーでは読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを、阪急沿線おしらべ係が調査します。

今回は大阪梅田駅について、こんな質問をいただきました。

大阪梅田駅のホームの床は、いつもピカピカ!
どのように手入れをしているんですか?

たしかに大阪梅田駅といえば、ピカピカに輝くホームの床が印象的ですよね。
一体どのようにメンテナンスしているのか、気になっていた方も多いのでは?

さっそく大阪梅田駅のホームの床のメンテナンスを担当しているプロにお話を聞きに行きました!

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大阪梅田駅の清掃現場へ潜入!

今回取材したのは、大阪梅田駅の清掃管理を担当する、阪急阪神クリーンサービス株式会社鉄道事業部の植本高則さん(左)、本村健史さん(右)のお二人。

植本さんは2007年に入社され、現在勤続15年。
はじめはHERBIS PLAZA ENT(ハービスプラザエント)や大阪梅田ツインタワーズ・ノースなどの清掃管理を担当。実際に清掃作業も3年ほど経験されました。
現在は阪急電鉄全線の清掃管理の責任者をされています。

本村さんは、2009年にアルバイトとして入社し、2013年に社員に。
HERBIS PLAZA ENTを開店前の約2時間清掃するところからスタートして、現在は大阪梅田駅の清掃管理をされています。

お二人とも、国家資格である「ビルクリーニング技能士」の資格をもつ、いわば清掃のエキスパートです。

そもそもどんな会社が駅の清掃を担当している?

大阪梅田駅の清掃管理を担当している「阪急阪神クリーンサービス株式会社」は、大阪梅田駅に限らず、さまざまな施設の清掃管理を行う会社。


大阪梅田駅の改札内にある事務所にお邪魔しました。皆さん朗らかで明るい職場です!

事業は大きく分けて、施設清掃部門(商業施設やオフィスビル)、鉄道清掃部門(阪急電鉄や阪神電気鉄道等の駅、車両、車庫)、ホテル清掃部門の3本柱。

お二人が所属する鉄道事業部が管理しているのは、阪急電鉄の87駅・4車庫、阪神電気鉄道の44駅・2車庫、神戸高速線の5駅、能勢電鉄の14駅・1車庫、北大阪急行電鉄の3駅・1車庫、駅構内の店舗など…。
こんなにたくさんあるとは驚きですね!

なお阪急電鉄の駅担当のスタッフは、2022年12月現在、清掃管理を行う社員12名と清掃員220名。そのうち大阪梅田駅を担当しているのは社員、清掃員あわせて約40名とのこと。

ずばり、大阪梅田駅のホームがピカピカできれいな理由は…!

その秘密を探るため、深夜の大阪梅田駅にお邪魔しました。誰もいないホームに、朝の出発を待つ電車がひっそりと停まっています。

大阪梅田駅といえば、ピカピカに輝くホーム。その理由をお二人にお聞きしました。

本村さん「ホームの床面を美しく保つため、床洗浄とワックスがけを毎月1回実施しています」。

まず初めに、手押しの床洗浄機に専用洗剤を入れ、パッドを使用して床面の汚れを取り除きます。
次に、床維持材として乳白色のワックスを、人の手でフラットモップを使い塗り重ねます。意外にも、使用しているワックスはそんなに特殊なものではないそうです。


床洗浄の様子


ワックスがけの様子

本村さん「ホームでの作業は、駅が営業していない終電後の深夜0時30分から開始し、始発前の朝4時までに終える必要があり、一晩で駅全体を対応できません。
そのため、ホームを複数のエリアに分けて作業しています」。

大阪梅田駅のホーム全体の床洗浄やワックスがけが終わるのには、約3~4か月かかるというから驚きです。

植本さん「大阪梅田駅はたくさんのお客様がご利用されていますので、お客様が歩かれる頻度の高い構内側(特にホーム中央より改札まで)はワックスの摩耗が激しく、被膜層が薄くなり光沢が早く無くなります。
ホームをエリア別に分ける際も、通行量なども考えて、ワックスを塗布する回数や量を調整し塗り重ねています。
その結果、美しい光沢を保つことにつながっています」。

場所に応じた細かい配慮もされているんですね。


床洗浄とワックスがけ完了!ピカピカです

植本さん「最近の清掃現場には、自動清掃ロボットが導入されることも増えていますが、駅のホームでは線路上にロボットが落下する危険性があるため、大阪梅田駅のホームでは使用していません。大阪梅田駅の広いホームも、すべて人の手で床洗浄やワックスがけを行っています」。

さらに、植本さんから
「気温の低い冬はワックスが密着不良を起こしやすくなるため、通常より塗布する回数や作業面積を減らしたり、雨天時はワックスが雨で溶ける恐れがあるため塗らなかったり。これらの状況は経験則で判断することが多いです」とのお話も。

ちなみに
「このワックスがけは、大阪梅田駅のほかにも、実施する頻度は異なるものの烏丸駅や京都河原町駅でも実施しています」と植本さん。
皆さんお気づきでしたか?

清掃現場の“いま”とは?清掃業界の最前線

清掃業界の最前線のお話をうかがってみると、
植本さん「以前と比べると、最近は清掃のロボット化が進んでいます。
2022年10月からは、大阪梅田駅でも改札外のコンコースや通路ではロボットの床洗浄機を導入しています」。


ロボット床洗浄機が深夜に大阪梅田駅の改札外のコンコースを清掃

ロボット床洗浄機は、機体から水を散布しながら底面のブラシで床を磨き、ほこりなどの小さなごみと一緒に散布した水を回収しながら進みます。

ロボット床洗浄機はスタートボタンを押せば、あとはすべて自動運転。時速4kmほどで進むそうで、思ったよりも早いんです!

植本さん「高さが15㎝以上の障害物は、センサーで感知し、迂回や停止をするようになっています。ただ、15㎝以下の障害物はセンサーで検出できないため、小さなペットボトルなどはロボット稼働前に人の手で取り除いています」。

近年は清掃業界でも人材不足が課題となっていたため、ロボット床洗浄機の導入は助かっているそうです。
残念ながら、ロボット床洗浄機は深夜時間帯で稼働しているため、普段その活躍を見ることはできません。


ロボット床洗浄機は高さ1.5mほど

大阪梅田駅の清掃はやっぱりスゴイ!

「大阪梅田駅の清掃は、24時間体制。緊急の呼び出しも他の駅より多いです」。

たとえば大阪梅田駅でトイレ内の汚損や詰まり、ジュースのこぼれなどがあった場合、電話や駅構内の呼び出し放送があり、すぐに清掃員が出動。迅速に処理しています。

もちろん、トイレの清掃も担当しているとのこと。

最近では、阪急電鉄が推進している「駅トイレリフレッシュプロジェクト」で、各駅のトイレのリフレッシュ工事が進んでおり、快適性・機能性・環境性が向上し、より使いやすくきれいなトイレも増えているのだとか。

「駅トイレリフレッシュプロジェクト」について詳しくはこちら
https://www.hankyu.co.jp/story/ekitoiletrefresh/

トイレで使う洗剤は、以前は頑固な汚れにも対応できる酸性洗剤も使用していましたが、人体等の安全性を考え、現在は中性洗剤を使用しているそう。

また、深夜帯に行うトイレの床面清掃においても、以前はホースで水を散布しデッキブラシやモップで磨いていましたが、いまは小回りが利き、汚水も回収する、バッテリー式の床洗浄機に変更しているそうです。


トイレ内の床面清掃には床洗浄機を使います

清掃にかける想いをお聞きしました

最後に、お二人へ清掃にかける想いや思い出話などをお聞きしました。

本村さん「仕事上で大切にしているのは、まずは安全第一。そして、お客様優先を心がけています。
ごみを回収する際はお客様との接触事故に注意し、ラッシュ時のホームでは台車を使いません。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、階段の手すりやトイレ内のドアノブなどの除菌拭き清掃も始めました。
お客様には安心して使っていただきたいですね。
私個人としては、清掃の道具や技術は日々新しい情報が出てくるので、同業者の方との会話などで常に情報収集に努めています。
お客様からの『いつも駅やトイレをきれいにしてくれてありがとう』とのお言葉が一番の励み。これからもお客様の安全を第一に、美しい大阪梅田駅を守っていきます」。

さらに、「入社してから驚いたのは、清掃業務に必要な国家資格があること。ビルクリーニング技能士の資格は、清掃業界の方はほとんど持っています」とのお話もありました。

植本さん「大阪梅田駅で思い出すのは、私が鉄道事業部に配属となった2020年。
当時の大阪梅田駅は、新型コロナウイルス感染症の流行によりお客様の数が激減し、閑散としている状況でした。また、受動喫煙防止やプラスチック製の買い物袋の有料化などの取組が進んだこともあって、ホームに落ちているごみが減ってきていた時期でもあり、きれいな駅だなと感じたことを覚えています。
最近は新型コロナウイルス感染症対策も緩和されてきており、お客様の数も戻りつつある中でごみの量も増えていますが、以前と同様にごみも落ちていない美しい駅だと喜んでいただけるよう、日々の清掃に取り組んでいきたいと考えています。
特に『大阪梅田駅=ピカピカのホーム』というイメージを持たれているお客様が多いので、これからも美観を守っていきたいですね」。

まとめ

今回の取材を通じて、大阪梅田駅のホームがいつもピカピカな理由は、長年の経験に基づいた丁寧なワックスがけであることが分かりました。
あの広いホームの清掃を、清掃員の方々が手押しの洗浄機やモップを使って作業していたとは驚きです!

さらに床に塗るワックスは、長年の経験を基に、その日の天候や季節、ワックスの摩耗具合を考慮して塗布する回数や量を判断しているとのお話しも。

経験を積み重ねてきた清掃員さんならではの臨機応変な状況判断や、スピーディで的確な清掃作業の数々は、もはや職人技ですね。

一方で、改札外のコンコースや通路にはロボット床洗浄機を使用するなど、最新技術の導入が進んでいることもよくわかりました。

阪急電車の駅や車両がいつもきれいなことに、心から感謝です!!

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、阪急沿線アプリで連携しているグループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)に対する質問も受け付けています。

みなさんも気になるものや知りたいことが見つかった時は、ぜひ「阪急沿線おしらべ係」まで質問をお寄せください。

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