【阪急沿線おしらべ係 第67回】
毎年、ご好評いただいている「阪急レールウェイフェスティバル」の全貌をご紹介します!

【2024年12月配信】

このコーナーでは読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを、阪急沿線おしらべ係が調査します。
今回は、読者の方からこんなリクエストをいただきました。

「阪急レールウェイフェスティバル」が今年は秋の2日間連続開催になったことを受け、イベントの全貌を取材してほしいです。

「阪急レールウェイフェスティバル」は、正雀工場にて毎年開催されている、阪急電鉄主催のファンイベント。阪急電車に関する様々な企画が行われ、大人から子どもまで多くの方が来場されています。
これまでは春と秋に各1日開催されるのが恒例でしたが、今年は春はオンライン開催、秋は正雀工場にて2日間連続開催となりました。
「阪急レールウェイフェスティバル」の全貌を調査するべく、事前の準備段階からイベント当日まで、たっぷり取材させていただきました。

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正雀工場にて密着取材スタート!

「阪急レールウェイフェスティバル2024」は、10月26日(土)・27日(日)に開催されました。開催前に正雀工場にて企画運営会議が行われるということで、取材に行ってきました!


正雀工場にて取材にご協力くださったおふたり

今回取材にご協力くださったのは、写真左から阪急電鉄 都市交通事業本部 えきまち事業部の武知辰也(たけちたつや)さん、辻智啓(つじともひろ)さんです。
武知さんは1983年入社、運輸部にて駅の営業スタッフ、車掌、運転士を経て、営業担当として本社勤務。辻さんは1989年入社、技術部にて主に宝塚線の車両の保守・点検業務をご担当されました。
その後、おふたりとも2022年からえきまち事業部に配属。
また、2014年から「阪急レールウェイフェスティバル」事務局のメンバーとして企画運営に携わり、辻さんが主担当、武知さんが副担当となってイベント全体の統括を担当してこられました。
そんなおふたりに、様々なお話を伺っていきましょう。

1年前から始まったイベント準備。

「阪急レールウェイフェスティバル」事務局のメンバーは、えきまち事業部、運輸部、技術部、都市交通計画部、協力会社の方など15名前後。取材に行ったこの日は、16名が参加されていました。


正雀工場にて行われた企画運営会議

辻さんによると「阪急レールウェイフェスティバル2024」の準備は、昨年秋に開催日を決めたところからスタート。春から企画内容を検討し、7月に具体的な内容や開催場所・時間、定員、所要時間などの大筋を決定。
8~9月にかけて、備品の準備や人員配置などの詳細を詰めていきます。


メンバー間で課題や認識を合わせていきます

辻さんや武知さんからは、「記念撮影コーナーのお客様1組あたりの所要時間は、この想定時間で本当に足りますか?」「ここにはどんな形や大きさの足場を設置する予定ですか?」「お客様が滞留しないように、誘導する人員は確保できていますか?」とかなり詳細な確認もあり、大詰めを迎えた雰囲気がこちらにも伝わってきます。


開催当日に向けて徐々に緊張感が高まります

10月上旬に事務局のメンバーが正雀工場内をぐるりと回り、当日の流れを最終確認したら、次はいよいよイベント当日!

「阪急レールウェイフェスティバル2024」開幕!阪急電車をもっと好きになる、盛りだくさんの2日間

待ちに待ったイベント当日。朝9時に会場の正雀工場を訪れると、すでに多くのお客様が来場されていました!


参加は事前応募制。抽選にて選ばれた各日8500人のお客様が決められた時間に入場していきます


おふたりも入場ゲート周辺でお客様を誘導します

会場内では多彩な企画が行われており、自由に回れるようになっています。
はじめに今回の目玉企画の一つ、「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」と新型車両2300系の車両探検に参加してみました。


「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」と2024年7月にデビューした2300系

まずは「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」の車内を探検。車両や車内に貼られたポスターなどを、すみずみまでじっくりと見学できるのは、イベントならではの機会ですね!


阪急電鉄の取り組みを紹介する動画も公開

車内を探検した後は、「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」の車内から、特別に設置された足場を渡り、2300系の車内に移動します。


車両間に設置された足場から撮影。いつもとは違う冒険気分を味わえました

2300系の車両では「PRiVACE(プライベース)の車両に初めて乗れた!」とのお声も。みなさん思い思いに楽しんでおられる姿が印象的でした。

毎回恒例の人気企画、35tクレーン実演も見逃せません。阪急電車が徐々に持ち上げられ、ついには隣の車両を飛び越えるほどの高さにまで!


普段は見られない「空飛ぶ阪急電車」に会場は大盛況

大型保線用機械(マルチプルタイタンパー)による砕石(さいせき)のつき固め作業も迫力満点。「砕石」とは、線路下に敷き並べられている砂利や石のこと。砕石をまくらぎの下に押し込むつき固め作業は、レールやまくらぎを正しい位置に維持するために必要な保線作業の一つです。


大型保線用機械のご紹介

保線作業のご紹介はこちら
【阪急沿線おしらべ係 第55回】深夜のまくらぎの取り換え作業を詳しくレポート!
https://cdn.hankyu-app.com/content/article/2023/article_12.html
阪急電鉄 安全の取り組み
https://www.hankyu.co.jp/story/anzen/index.html

昔の貴重な車両のカットボディ(車両の一部分をカットしたもの)を展示する「阪急ミュージアム」では、今の阪急電車とはまた違う、レトロな魅力に触れられました。


今となっては貴重な車両ばかり!自由に写真撮影できるのも特別な機会です


こちらは1010系(1010号車)と300系(301号車)カットボディ内部。天上のシャンデリアも素敵です

他にも、阪急電車館館長のステージイベントや、オリジナルの景品が当たる「表示幕でビンゴ!!」、津波が起きたことを想定して列車からの避難訓練を体験する「みんなで学ぼう、防災でんしゃ」など内容は盛りだくさん!


電車のボタンやレバーなどの操作体験コーナー


「はしれ!ちびっこ電車!」はお子様から大人気

最後は阪急電鉄吹奏楽団による演奏会が行われ、「阪急レールウェイフェスティバル」は盛大に幕を閉じました。


阪急電鉄の社歌や、誰もが知っている名曲の数々を演奏

来場された方々の阪急電車への愛と笑顔があふれる、賑やかで温かい空間。今回が初参加だったおしらべ係員も、すっかり心を掴まれて阪急電車がもっと好きになりました!

「阪急レールウェイフェスティバル」は今年で30周年。1994年の工場見学会がその始まり

ここで、「阪急レールウェイフェスティバル」の歴史もご紹介します。
「阪急レールウェイフェスティバル」は、正雀工場25周年を記念して1994年に開催された「正雀工場25周年記念工場見学及び春休みフェア」が始まりです。1997年に、より幅広いお客様が楽しめるイベントとして「阪急レールウェイフェスティバル」に改称されました。


「表示幕でビンゴ!!」では、数字ではなく表示幕に表示される駅名でビンゴを狙います

コロナ禍にはやむを得ず開催を中止したり、オンライン開催を始めたりと試行錯誤しながらも開催が続けられ、今年で30周年を迎えました。


阪急電車の座席に使用される布地でできたコースターが販売されていました

「阪急レールウェイフェスティバル」に10年携わってきたおふたりの思いとは

そんな歴史ある「阪急レールウェイフェスティバル」の企画運営に携わるおふたりに、イベント開催への思いも伺います。

今回初めて2日間開催されることになった経緯を教えてください。
辻さん:これまで日曜日の1日間開催だったので、長年参加できないお客様がおられるのを心苦しく思っていました。少しでも多くのお客様に楽しんでいただきたい思いから、今回は土曜日と日曜日の2日間開催することを決めました。
武知さん:お客様に楽しんでほしい!というのは、私たちみんなに共通する思いです。毎回、一生懸命アイデアを出し合っていますよ。


阪急電鉄公式YouTube「【公式】阪急電車ファン全員集合!」の館長のステージイベントには、ファンの皆様が多数ご参加

阪急電鉄公式YouTube「【公式】阪急電車ファン全員集合!」はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCly6FCcclDVBobU3L41-wQQ

オンライン開催を始めたきっかけは?
辻さん:コロナ禍をきっかけに、2021年に初めてオンラインで開催しました。
特設サイト上でお仕事動画やクイズ、クラフトペーパーなどを公開したり、ネットオークションを実施したりすることで、正雀工場に来なくても、みなさんに阪急電鉄の取り組みを知っていただく良い機会になったと思います。
武知さん:ファンの方に向けて、楽しいコンテンツを幅広い形で提供できるようになりましたよね!


「みんなで学ぼう、防災でんしゃ」では車両から飛び降りて避難する体験にチャレンジ。この高さでも意外と怖い!

辻さん:そして、これまで期間限定で公開してきた「阪急レールウェイフェスティバル」のオンラインのコンテンツを、今年の秋から、子ども向けウェブページ「はんきゅうキッズ」として通年公開することになりました。
以前から「常設サイトにして、いつでも見ていただけるようにしたい」との思いがあり、ようやく実現しました。ぜひチェックしてみてください。

「はんきゅうキッズ」はこちらから
https://www.hankyu.co.jp/railfan/hankyukids/index.html

企画運営するにあたり大切にしていることはありますか?
辻さん:阪急電車を好きになってほしい、これに尽きます。できることが限られている中で、なんとか知恵を絞って、お客様に喜んでいただけるイベントにしたいと思っています。
武知さん:私も同じ意見です!企画運営会議で「記念撮影のコーナーでは、お客様1組あたりの所要時間は、何分がベスト?」と細かいところまでシュミレーションするのも、お客様に笑顔で帰っていただきたいからなんです。
辻さん:もちろん、お客様の安全の確保も当然のこととして大切にしています。


制帽を被って記念撮影できるコーナーも人気。素敵な思い出になりますね

今までで印象的だったことはありますか?
武知さん:ありがとう!とお客様が笑顔で帰っていかれる姿を見ると、本当に良かった!!と思います。後日お子様から直筆のお手紙や阪急電車のイラストをいただくこともあって、いつも感激しています。


お客様からのお手紙を特別に見せていただきました

辻さん:イベント運営に携わるようになってからは、トラブルもなく楽しんでいただけているかという心配ばかりですが… 手を振って笑顔で帰っていくお子様を見ると、開催できて良かったと実感しますね。
武知さん:お客様と直接触れ合えるのは、私たちにとっても貴重な機会。お客様に楽しんでいただけることが、やっぱり一番うれしいです!


イベントの最後は、帰宅されるお客様をお見送りします

まとめ

「阪急レールウェイフェスティバル」での体験を通じて、阪急電車の様々な魅力に触れることができた2日間。来場者も大人から子どもまで、みなさん笑顔で楽しんでおられました。
イベントは事前応募制、申込者多数の場合は抽選となりますが、今後も毎年秋に開催される予定です。ぜひ参加してみてくださいね。

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、グループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)など阪急沿線に関する質問も受け付けています。

みなさんも気になるものや知りたいことが見つかった時は、ぜひ「阪急沿線おしらべ係」まで質問をお寄せください。

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