【阪急沿線おしらべ係 特別編】
<前編>京とれいん雅洛の改造現場に潜入!
【2019年3月配信】
3月23日にデビューした、阪急電車の新しい観光特急「京とれいん 雅洛(がらく)」。
実は、トッコは夏の頃から「京とれいん 雅洛」が作られている現場に潜入取材を続けていました!
今回、"おしらべ係"の特別編として、「京とれいん 雅洛」がどうやって作られたのか、前編と後編の2回に分けてレポートしていきます!
「京とれいん 雅洛」ってなに?
「京とれいん 雅洛」は、2011年3月にデビューした「京とれいん」に続く2代目の観光特急車両です。
コンセプトは『ご乗車されたときから京都気分』。
いつもの阪急電車とは、全く違う内装に大変身しているんです!
畳の席に座って坪庭を眺めながら移動できるスペースがあったり、
車窓を存分に楽しめる窓向き座席があったり。
もはや電車に乗ると言うより、"京都の風情に乗る"といっても過言ではない、
電車の中で京都の町家を体験できるような雰囲気!
ちなみに、車内が木の床のようになっていますが...
土足のままで大丈夫!
履き物は脱がずにそのまま乗ってくださいね。駅のホームに靴を忘れると大変です!
そして、この電車!
特別料金や予約は不要!
運転時間に合わせて駅に行けば乗車できる、なんともうれしい電車なのです。
★「京とれいん 雅洛」の運行日や停車駅、時刻はこちらから
「京とれいん雅洛」に変身したのは7000系
それでは、「京とれいん 雅洛」ができるまでを振り返ってみましょう。
今回、「京とれいん 雅洛」へと変身したのは、神戸線に所属していた7000系。
ごく普通の阪急電車で、ごく普通の外観、
そして馴染みの深い、木目調の壁と緑色の座席が並ぶ車内の風景。
この写真は実際に「京とれいん 雅洛」になった電車が改造工事に入る直前の昨年7月頃の様子。ここから約9か月かけて先ほどの姿へと変貌していったのです。
でもなんで、京都線を走るのに7300系じゃなくて7000系なのか?
その答えは、
大阪メトロにも乗り入れる京都線の車両(7300系など)は、微妙に幅が広くて神戸線・宝塚線を走れないんだそう。そこでどの線でも走れる7000系が抜擢されたわけです。
改造が始まって、まずすることは?
「京とれいん 雅洛」への改造は、正雀工場の敷地内にあるグループ会社「アルナ車両」で行われました。
改造が始まってまずすることは、
とにかく、車内にあるものを全て外すこと!
阪急電車の特徴である緑色のシートが外され、
木目調の壁や白い天井も外され、
その裏側に隠れていた電線や機器類もぜ~~んぶ取り外されて、
骨組みと外側の鉄板だけにされてしまいました。
「これが阪急電車だ!」といっても、誰にも信じてもらえない写真ですね。
ちなみに左右に立てかけられているのは窓枠だそうです。
普段、窓枠は窓ガラスがはまっている正方形の部分だけしか見えていませんが、窓の下がる下の方まで枠があったんですね~。
3ドアから2ドアに変身!
「京とれいん 雅洛」は優雅な車内を演出するために、両端のドアのみの2ドア車両になっています。
しかし、普段みなさんが乗っている7000系は3ドア車両ですよね?
真ん中のドアはどこに行ったのでしょうか??
実は、「京とれいん 雅洛」に改造する際に真ん中のドアは鉄板を溶接して埋めてしまったのです。
作業を見ていると、
まずはドアと同じ形の鉄板を用意して、真ん中のドアの部分にはめ込んで溶接していきます。
鉄板をあてただけでは強さがありませんので、内側から梁(柱)を何本も溶接して取り付けて、壁としての強さを出しているんだそうです。
(左が梁を追加している様子、右が鉄板をはめただけ)
完成した雅洛では、この真ん中のドアのあった場所に特徴的な丸窓がデザインされています。
そこにもともとドアがあったなんて、誰かに教えてもらわないと分からないくらいになっていますね。
ドアを付ける!それでも簡単ではない作業でした
この日は、「京とれいん 雅洛」のために作られた新しいデザインのドアの取り付けが進められていました。
ガラスの部分が縦二本のデザインになっていて、これまでの阪急電車とは全く違った印象に。
この新しいドア、ぽんぽんぽ~んと、10分くらいで全部取り付くんじゃ?と思ってしまいますが、
ドアの上にあるレールなども新品に交換していて、全てのパーツでひっかかりなくスムーズに動くようにしなければなりません。
各部で1mmにも満たない微妙な調節を繰り返し、1箇所のドアが取り付けられるのに1日がかり!といった様子でした。
電車って何十mと大きいのに、
中身は1mm以下の世界。
電車を作るのも大変ですね。
お家の新築工事中?
「京とれいん 雅洛」の内装工事が本格化してきたこの日、「アルナ車両」に来たと思ったら...
ここはお部屋?
中にいるのは大工さん?
どこかのお家の新築現場に迷い込んだような錯覚を感じました。
下の写真は坪庭のある2・5号車を作っている時の様子です。
4~5mの間隔で壁や格子が立ち、それぞれの区画でスタッフさんが内装を作り込んでいく様子は
まさに大工さん!!でした。
実際に乗ってみても、2・5号車は特に「お家感」が強い車両になっていますよ。
ぜひ体感してくださいね。
<前編>はここまで。
★「京とれいん 雅洛」の運行日や停車駅、時刻はこちらから
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