【阪急沿線おしらべ係 第3回】
淡路駅の1号線はどこへ消えた?

【2019年3月配信】

阪急沿線おしらべ係も3回目。読者のみなさんから、調べてほしいネタの投稿を続々といただいております!ありがとうございます!

阪急沿線で気になることやふとした疑問があったら、トッコがお調べしますのでお気軽に投稿してくださいね。

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本題の前に、第2回の「幻のうどん自販機の秘密!」を読まれた方から感想をいただいたので、ちょっとご紹介しますね。

"西宮球場の近くに住んでいた子どもの頃、近くにうどん自販機を製造する会社があり、うどん自販機がずらっと並んでいたのを思い出しました"

なんと!実はかつて、阪急沿線でうどん自販機が作られていた!

調べたところ、記事で紹介した自販機とは別のメーカーさんのようですが、こんなご縁があったのですね~!

tokko.jpg

それでは本題。

お寄せいただいた疑問は、

「淡路駅にはどうして1号線がないの?」

普段トッコは、淡路駅は仕事かおでかけの時に利用する程度なので、はっきり覚えていないのですが...そう言われてみると、1号線はなかったような気がします。

普通、番号をふる時は、だいたい1から始まるものですが、どういうことなのでしょう?

あ、「この答え、知ってるわ~~~」と、ページの戻るボタンを押そうとしている、そこの方!

ちょっと待ってください。

本題とは少しそれますが、貴重な写真が記事の最後の方にあるので、よかったらスクロールしてみてください!

淡路駅を確認してみましょう

なにはともあれ、まずは現場を確認です。

2-3号線ホーム_丸.jpg

確かに1号線がありません。駅の外にも行ってみましたが、いたって普通の駅舎があるだけです。

こういう時は、人に聞くのが一番早い。淡路駅のことを聞くなら...この方。

立石駅長.jpg

淡路駅 立石駅長です。

「どうして淡路駅には1号線がないんですか?」

たくさんの資料を見ながら立石駅長は答えてくださいました。

1号線がない理由は京都線の歴史にあり

現在の京都線は、梅田~河原町駅を本線として、千里線、嵐山線が支線でつながっていますよね。

実は、

十三~淡路駅間は、支線だった時代があるのです。

淡路駅ができたのは1921年のこと。100年近く前です。

京都線の歴史は、会社の合併などが頻繁にあって複雑です。ここからは分かりやすくするために、どの会社のものだったかは省略して説明していきますね。

京都線の元となる路線は、

1921年 十三~淡路、淡路~千里山駅

1925年 天神橋(現・天神橋筋六丁目)~淡路駅

1928年 淡路~京都西院駅(地上仮駅)、桂~嵐山駅

順に開業します。

当時、この路線の大阪側の起点は天神橋駅

つまり、本線は

天神橋~京都西院駅で、

十三~淡路駅は支線(十三線)として扱われていたのです。

十三~淡路駅は列車の折り返し運転がされていて、淡路駅には行き止まり式の乗降ホームがあり、

これが1号線でした。

天神橋駅を通らずに大阪・神戸方面から京都へ行くには、

十三駅で十三線に乗る⇒淡路駅でさらに乗り換える

という手間があったんですね。

1944年には、梅田から京都方面への直通電車が走るようになります。

ちなみに梅田~十三駅は、京都方面行きの専用線路がなかったので、代わりに宝塚線の線路を使って走っていたんですよ。

1号線が廃止されたのは1954年。当時の淡路駅は

1号線⇒十三~淡路駅折り返し

2号線⇒千里山線千里山方面行き

3号線⇒千里山線十三方面行き

4号線⇒京都方面行き

5号線⇒天神橋方面行き

となっていました。

1号線の廃止にともなって、これまで使っていた2号線を1号線、3号線を2号線...としてしまうと、混乱してしまいますよね

それで名称はそのままに、

1号線が欠番することになったのです。

1号線の跡は淡路駅に残っている?

なるほど~~。こんな経緯があったのですね。

では、1号線は現在の構内のどのあたりにあったのでしょうか?

「西改札口のあたりですね」

ここですね。ちょうど2号線の向かい側、改札やトイレなどがあるところです。

1号線の後西改札.jpg

2号線線路のすぐ隣に1号線の線路、その隣にホームがあったそうです。

1号線の跡が今に残っていないかと聞いてみましたが、

1号線にあった乗務員の控え室が、その後、2・3号線ホームの上階に移設され、それが今も残っているくらいで、1号線の証といえる痕跡は残念ながらないそうです。

駅長もワケを知らなかった謎の階段

「それと、淡路駅には何のためにあるのかわからない階段があるんです」

おぉ!それはかなり気になります!ぜひ見たいです!

と、連れて行ってもらったのは、駅員さんの控え室奥の扉の外にある白い階段。一般の方は入れません。

「階段を下りても...どこにも通じてないんです」

階段.jpg

下りてみるものの...行き止まりです。背中側は改札の外の道が見えています。

改札の外の道から見るとこう。

階段外.jpg

白い柵で囲われているので、こちら側も行き止まりです。

「何のためにあるのか、駅員もみんな分からなかったんですが...やっとわかったんです

実はこれ、昔、階段の上に信号所があったそうで、ポイントが切り替わらない等の緊急時に、

信号士が線路上に出るために設置された階段だったそうです。

淡路駅は、阪急で最も複雑に線路が交わる駅。

今は自動で信号やポイントが切り替わりますが、昔は熟練した信号士が複雑なダイヤに応じて手でスイッチを操作していました。

謎の階段は、そんな先人たちの苦労を思い出させてくれる階段だったのです。

1号線がないのは淡路駅だけではなかった

話は戻って消えた1号線について。

実は1号線がない駅は、ほかにもあるんです。

阪急電車の車庫がある正雀駅。

正雀駅.jpg

この通り、1号線がありません。角度を変えて見てみましょう。

3線.jpg

2号線の隣に線路が見えていますよね。上の写真で電車が走っている、この線が1号線なんです。

そのさらに隣にある線路はA号線と呼ばれています。

1号線は車庫と本線の出入りのために使われていてA号線は車両の点検用の線路として使われています。

つまり、正雀駅は1号線がないのではなく、お客様の乗り降りには使われていない線路というわけです。

先ほどの1号線の車両が目の前を通過しました。

雅洛.jpg

!!!!

近づいてきた車両は3月23日にデビューする「京とれいん・雅洛」!

偶然にも、試運転から帰ってきたラッピング前の貴重な車両と遭遇できました!

23日のデビューが楽しみですね!

まとめ

興奮のあまり、最後は1号線の話から逸れてしまい失礼しました...><

1号線が歴史の中で消えてしまった淡路駅は、今、高架化工事が進んでいます。

新しい駅舎が完成した時、

約70年ぶりに1号線が復活するのか?

はたまた、

淡路駅の歴史を継承して2号線から始まるのか?

生まれ変わる淡路駅がどうなるのか、今から楽しみですね!

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