【阪急沿線おしらべ係 第61回】
阪急電鉄主催の『EXPO TRAIN 阪急号』に乗ってきました。1日限定の特別な体験をレポート

【2024年6月配信】

このコーナーでは、読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを、阪急沿線おしらべ係が調査します。

今回はこんな質問が寄せられました。

「特別貸切運行の『EXPO TRAIN 阪急号』への乗車について募集されていたことを最近知りました。どんなイベント列車だったのか教えてください」。

おしらべ係では4月13日(土)に運行された『EXPO TRAIN 阪急号』にお客様と一緒に乗車し、その様子を取材してきました。

記事の最後に『EXPO TRAIN 阪急号』の動画を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

tokko.jpg

2025年に開催予定である大阪・関西万博の開幕までちょうど1年!万博への機運を高めるため運行した『EXPO TRAIN 阪急号』とは?


大阪梅田駅6号線の終端部分にも装飾が施された

はじめに、『EXPO TRAIN 阪急号』の概要を紹介します。

阪急電鉄では、大阪・関西万博の開幕1年前を記念し、電車の新しい楽しみ方として、体験型演劇やマルシェが楽しめるイマーシブ列車『EXPO TRAIN 阪急号』を4月13日(土)限りの特別路線ルートで運行しました。イマーシブとは、「没入」「没入感のある」と訳される言葉です。

1970年の大阪万博が開催された過去から現在、そして未来へと続くタイムトラベル体験をテーマに、列車内では万博の歴史や未来の世界観を体験できる車内装飾や展示と、列車内を舞台に見立てた演劇体験! 阪急沿線で活動される方々が街のPRを行う展示や、食品や雑貨などの販売ブースが出店するなど盛りだくさん!また、参加されたお客様は車内で演劇やマルシェなどの特別イベントに参加するという内容です。

主催の阪急電鉄と、阪急阪神不動産が連携して実現した『EXPO TRAIN 阪急号』についてたっぷりレポートします。記事の最後には『EXPO TRAIN 阪急号』を企画・運営した担当者へのインタビューも掲載、最後までぜひご覧ください。

宝塚本線、今津線、神戸本線をまたぐ特別ルート運行も!

『EXPO TRAIN 阪急号』は、4月13日(土)12時16分に阪急大阪梅田駅を出発。約2時間半かけて大阪梅田駅~宝塚駅~西宮北口駅~十三駅~曽根駅を走行し、14時46分に再び大阪梅田駅に戻るという普段のダイヤにはないルートを走りました。


途中、神戸本線園田駅に停車する『EXPO TRAIN 阪急号』

いよいよ大阪梅田駅を出発!お客様が続々と乗車。


お客様が次々と乗車

いよいよ『EXPO TRAIN 阪急号』の出発。ご乗車されたお客様は、車内の展示をご覧になって電車が出発するまでの時間を過ごされていました。ファミリーやカップル、友人同士など、世代も様々な約100名のお客様が乗車されました。

過去、現在、未来と時間を行き来するタイムマシンをテーマとした展示と催し


車内に設置されたモニターに映し出される『EXPO TRAIN 阪急号』のメインイメージ

まずは、過去、現在、未来を行き来するタイムマシンをテーマとした『EXPO TRAIN 阪急号』の展示や体験についてレポートします。

過去をテーマにした展示では、1970年に開催された万博と当時の阪急沿線をたどる


1970年の大阪万博開催時に使用されていた駅の案内板


1970年の大阪万博開催期間中に使用していたステッカーや広報ポスターなどを展示


阪急六甲駅の今と昔の写真を見比べる


1970年当時の阪急十三駅の西口改札

前回の大阪万博が開催された1970年に関連した展示です。モノクロやセピア色の懐かしい写真や当時使用された阪急電車関連の資料などが展示されていました。現在とは異なる駅の様子などにお客様の関心が集まっていました。

現在の阪急沿線の魅力を感じることができる「沿線マルシェ」には沿線団体が参加

豊中市


豊中市で活躍するベンチャー企業やラーメン店など多彩なメンバーが乗車し豊中の魅力をPR

池田市


池田市にある五月山動物園の人気者ウォンバットをPR。五月山動物園はウォンバットの繁殖に成功するなど注目を集めています

川西市


川西市内の飲食店や、焼き菓子ショップの商品などを出品、ミャクミャクを模した顔はめパネルも大人気

宝塚市


宝塚市にある伊和志津(いわしづ)神社で不定期開催の「TAKARAZUKA LOCAL MARKET」。街のすてきな“モノ”が一堂に会しました。

西宮市


西宮市内にはこだわりのコーヒーを提供するショップが点在。市の魅力の一つとしてPR

尼崎市


尼崎市にある個性的なお店や銭湯などをPR。カラフルな雑貨の展示などが目立っていました

この日のために特別に企画された街の魅力をPRする展示やワークショップなどがあり、車内という事を忘れてしまいそうな雰囲気です。

2025大阪・関西万博で描かれる「未来」の世界観をイメージした展示

ロボット、笑顔認証システムを活用したインスタレーションなど、2025年に開催される大阪・関西万博で描かれる未来を彷彿とさせる展示は、子どもも大人もワクワクしながら楽しめました。


1970年の大阪万博の際にニュージーランドから贈られて、初めて日本にやってきたというニュージーランドの国鳥・キーウィを模したロボット。

トコトコ歩いたり、卵を産んだり、本物のキーウィのような愛らしい姿にお客様は興味津々でした。


モニターで人の笑顔を感知すると走り出す電車のおもちゃ。1笑顔を1円として寄付もできるというスマイルトレイン。みんなの笑顔を原動力にするというコンセプトが素敵

お客様もミッションに参加!体験型演劇、ブラスバンド演奏を観賞


走る電車の中で観劇するのは特別感と非日常感がたっぷり

続いて、今回の目玉ともいえる2つのイベントを中心に紹介していきます。

あなたも演者の一人。未来や過去から現代に迷い込んでやって来た人たちを全員で救え!


キラキラ光る銀色の衣裳をまとい現れた未来の人たち

座っているお客様の目の前だけでなく、車両の端から端までを使って行われた体験型演劇。
ストーリーは時空が歪むトラブルが発生したというシチュエーションからスタート。
その時空の歪みから、現代に迷い込んでやって来てしまったという未来の人と過去の人。
自分達がいた時代へ戻るためには、お客様の力を借りてパズルを完成させて、時空の歪みを戻すことが必要であるとのこと。「未来の車両」に設定された車内では、クリエイターがAIで制作した未来の阪急の駅の絵が、また「過去の車両」に設定された車内では過去の阪急の駅の写真がパズルになっていました。

それぞれの車両で、大人と子どもが一緒になって、電車の窓に貼られたパネルを使ってパズルを完成させていきます。


過去の駅の写真をパズルに、全員で協力して一つひとつピースをはめていきます


AIで描いた未来の阪急の駅の絵のパズル

初めて会う参加者同士でパズルを通して得た一体感、いつの間にか体験型演劇の演者の一人となってしまっていた。そんな特別な時間になりました。

走る列車内でライブ演奏を聴きながら、企画列車のプログラムを締めくくり


ブラスバンド「Big Mouse Brass Band」の生演奏は迫力満点


車内に歌声が響くのがとても新鮮。2人組の音楽ユニット「花柄ランタン」

企画の締めくくりは、ブラスバンドなどによるライブイベント。走る電車内でライブ演奏を聴くのは初めての体験。約2時間半の乗車時間はアッという間に過ぎていきました。

それでは最後に、『EXPO TRAIN 阪急号』の担当者の熱い想いをお届けします。

『EXPO TRAIN 阪急号』担当者インタビュー


イベント終了後の大阪梅田駅にて、インタビューに答えていただきました。

インタビューを受けていただいたのは(写真右から)
阪急電鉄 都市交通事業本部 沿線まちづくり推進部 課長の永田賢司(ながたけんじ)さん
阪急電鉄 都市交通事業本部 運輸部 課長補佐の岩田唯淳(いわたただあつ)さん
阪急阪神不動産 開発事業本部 都市マネジメント事業部の皆川ゆり(みながわゆり)さんです。

『EXPO TRAIN 阪急号』に込められた思いをお聞かせください。

永田さん:
今回の取組をきっかけに、沿線各地の魅力が広く認知されることに加えて、沿線の各エリアで活躍されている方々同士の関係性がエリアを越えて繋がり、深まればと思っていました。普段から沿線活性化などに取り組む業務に携わっていますので、「まちづくり」の視点で関西広域における新たな活動や文化が生まれるきっかけになればと考えています。
岩田さん:
大阪・関西万博開催1年前というタイミングで、阪急電鉄として今までに実施したことがない形で列車を運行し、参加いただいたお客様に新たな移動体験をしていただきたい。そして関西の街を盛り上げるきっかけとなればと考えていました。
皆川さん:
阪急阪神ホールディングスグループのリソースを活かし、梅田をはじめ阪急沿線の魅力的なコンテンツを展開・発信することで、街から大阪・関西万博の盛り上がりに貢献できればと思い、このイベントを企画しました。

電車の中でマルシェや演劇を開催された経緯をお聞かせください。


座席に商品を陳列。雑貨から食品までバリエーションも豊富

永田さん:
沿線まちづくり推進部として、沿線が盛り上がるためには各地で元気に活躍されるキーパーソンの存在が重要であると思い、そういった方々との関係性づくりを行ってきました。そんな中、皆川さんから今回の企画列車のご相談があったため「列車が走るルート上の沿線の自治体を対象に、各地のキーパーソンや自治体職員も関わる形にしませんか」と提案させていただきました。
皆川さん:
企画とプロデュースをお願いしたパートナー企業のdemoexpoの方と、阪急らしさや万博らしさをどう表現するかについて、じっくり時間を掛けて議論した結果、大阪万博のあった1970年代と、今回の大阪・関西万博で描かれる未来の時代と現代がクロスすることで、タイムスリップするイマ―シブ(没入)演劇という企画が面白いのではと考えました。お客様に楽しんでいただきながら万博を身近に感じていただけて良かったと思っています。

『EXPO TRAIN 阪急号』が運行した特別ルートの準備についてお聞かせください。


十三駅を通過する『EXPO TRAIN 阪急号』

岩田さん:
準備期間中は主に、特別列車を走行するダイヤの調整、お客様の安全を守るためのオペレーションなどの検討、そして乗務員や車両の確保などの調整を担当しました。列車内のコンテンツはもちろん、大阪梅田駅から出発し、宝塚駅を経由して、宝塚線と神戸線を大きく1周して大阪梅田駅に戻ってくるという当社初の特別ルートをお客様に体験いただけたと思っています。安全に大阪梅田駅に電車が戻ってきたことに、まずは一安心しています。

『EXPO TRAIN 阪急号』を動画でもご紹介。下記よりご覧いただけます。
*音あり再生でもお楽しみください。

取材を終えて…


「EXPO TRAIN阪急号」は大阪・関西万博開催の500日前から運行開始した大阪・関西万博 ラッピング列車で走行

ご参加いただいた方だけが体験できる車内の雰囲気や、いつもの車内とは異なる時間の流れなど、クセになりそうな特別感を味わうことができました。開幕まで1年を切った大阪・関西万博がますます待ち遠しくなりました。

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、阪急沿線アプリで連携しているグループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)に対する質問も受け付けています。

みなさんも気になるものや知りたいことが見つかった時は、ぜひ「阪急沿線おしらべ係」まで質問をお寄せください。

阪急沿線おしらべ係の
最新記事をチェック!

「おしらべ係」のトッコが調査した記事を、定期的に追加しています。阪急沿線アプリのインストールや阪急沿線情報誌TOKKの公式X(旧Twitter)のフォローで、最新情報を簡単にいち早くチェックできます。ぜひご利用ください。

「おしらべ係」トッコ

「おしらべ係」のトッコが調査した記事を、定期的に追加しています。阪急沿線アプリのインストールや阪急沿線情報誌TOKKの公式X(旧Twitter)のフォローで、最新情報を簡単にいち早くチェックできます。ぜひご利用ください。

最新の記事一覧を見る