【阪急沿線おしらべ係 第60回】
阪急電鉄ではたくさんあるお忘れ物をどのように管理している?

【2024年5月配信】

このコーナーでは読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを、阪急沿線おしらべ係が調査します。

今回はこんな質問が寄せられました。

『先日忘れ物をしたのですが、すぐに見つかりました。阪急電鉄ではどのように忘れ物の管理をしているのか教えてください』

阪急電鉄の車内や、駅改札内などでお忘れ物をしたり拾ったりしたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はお忘れ物センターでの業務とお忘れ物自動受付サービスについていろいろ調査してきました!

tokko.jpg

お忘れ物センターとは…


大阪梅田駅 茶屋町口改札内にあるお忘れ物センター

阪急電鉄の施設内で拾得されたお忘れ物は、種類によって保管の期間が異なります。基本的には、拾得当日は各駅で保管。拾得翌日から最短で2日間(拾得された曜日によって、保管期間が前後することあり)お忘れ物センターで保管された後、警察または阪急電鉄が契約する業者倉庫に移送され所定の期間保管されています。


お忘れ物センターは年中無休で8:30~19:45営業

お忘れ物センターってどこにあるの?

お忘れ物センターは、阪急大阪梅田駅茶屋町口改札内の神戸線8・9号線ホーム上り階段付近にあります。


お忘れ物を届ける時や引き取る場合は、お忘れ物センターへ

お忘れ物センターには17人(2024年2月現在)の職員の方が在籍しているそうです。

今回取材させていただいたのは、阪急電鉄運輸部 お客様サービス担当の高橋利明さん。お忘れ物センターの業務に就いてまだ1年ほどで、以前は京都線高槻市駅管区にて管理監督職である首席助役として勤務されていました。現在はお忘れ物センターで、お忘れ物の受付や保管、受け渡し、電話の問い合わせ対応などの業務を行うスタッフの管理監督業務をされています(取材撮影は2024年2月現在)。


お忘れ物センターは朝や夕方に混雑することが多いそう

お忘れ物で一番多いのは、やはりアレ!

実際にお忘れ物が保管されているところを見せてもらいました。お忘れ物ではどんなものが多いのでしょうか。


届け出のあった傘は3~4日分ごとに保管されています

「お忘れ物で一番多いのは傘ですね。今はこれでも少ない方なんですよ」と見せていただいたのが、こちらの傘の保管庫。取材前の期間は、雨があまり降らなかったためこれでも量が少ないのだそう。


届け出のあった傘は神戸線、宝塚線、京都線、大阪梅田駅に分けて保管します

「傘のお忘れ物は1日平均100本、梅雨時だと1日最大500本も届きます」と高橋さん。傘は拾得されてから2週間、お忘れ物センターで保管されますが少なくとも1,000本以上もの傘が保管されていることになります。大量の傘が保管されていますが、持ち主が引き取りに来られる割合は低いのだそうです。


雨が少ない時季でも1日100本ほどの傘の忘れ物があるそうです

平成19年12月施行の改正遺失物法の中で新設された“特例施設占有者制度”に則り、傘については保管期間を2週間と定めており、その間に持ち主が現れなければ処分させていただいております。


傘のお忘れ物の量は昔も今もあまり変わらないのだそう

傘以外のお忘れ物はどのように保管されている?

それでは傘以外のお忘れ物は、どのように管理されているのでしょうか。
「お忘れ物の種類や状況により変わることもありますが、貴重品や個人情報を有する品物については、お忘れ物センターで拾得翌日から約2日間保管し、それ以降は曽根崎警察へ移送しています。傘と警察移管品以外の一般的なお忘れ物については、拾得翌日から約2日間お忘れ物センターで保管した後、阪急電鉄が契約する業者倉庫で約3カ月保管しています」。


冬の時季はマフラーや手袋などもお忘れ物として多いそうです

ではお忘れ物が見つかった場合、受け取りの時に必要な情報を教えていただきましょう。


お忘れ物センターで問い合わせや引き渡しなどを行います

「お忘れ物をされた方は、事前に電話やお忘れ物自動受付サービスなどで拾得されているかどうか確認されると無駄がなくてよいのではないでしょうか。お忘れ物が拾得された当日は各駅改札窓口へ。拾得翌日13時から約2日間(拾得された曜日によって保管期間が前後することあり)までであれば、お忘れ物センターにいらしてください。受け取り時には、住所氏名が確認できる公的証明書の持参をお願いしています。もし、代理人が受け取りに来られる場合は、委任状と代理人の公的証明書が必要になります」。
※委任状のサンプルはこちら
https://www.hankyu.co.jp/pdf/inquiry/attorney.pdf


当日のお忘れ物については、お忘れ物センターではなく、各駅にあるごあんないカウンターへ(写真は大阪梅田駅のごあんないカウンター)

なお、スマートフォンなどの電気製品はご本人様の品物であることを確認するため電源を入れた後、お客様ご自身で動作確認をしていただくのだそうです。そのため受け取り時には充電器をご持参いただくようお願いしているのだとか。

お忘れ物はこのように管理されています

お忘れ物には、エフ(絵符)と呼ばれる札をつけて管理します。エフには各お忘れ物を識別するために個別の番号が付与されており、拾得日時や内容などをその番号と紐づけてシステム登録することで、データベース上で管理をしているそうです。


便利なお忘れ物表

最近ではICカードやワイヤレスイヤホンなどのお忘れ物も増えているそう。デジタル機器関連のお忘れ物は、今の時代ならではの印象ですね。また、訪日外国人(インバウンド)のお客様のお忘れ物も増えてきているそうで、お問合せ時には翻訳ツールを活用し応対するのだとか。


電話での問い合わせが多いお忘れ物センター

「電話での応対は、お客様のお忘れ物の状況について言葉だけで理解しなければならないので、よりお忘れ物の詳しい状況を聞き出すテクニックが必要となります。そのためにも案内スタッフは、流行しているブランドや商品名などを率先して情報収集し、勉強しています」と高橋さん。


お忘れ物は一つずつお忘れ物管理システムに登録され、捜索もできます

届けられたお忘れ物は、なんと500種類以上に分類してシステム登録されているのだそう。改めてお忘れ物の管理の大変さを感じます。

今まで印象に残ったお忘れ物はどんなものがあるのでしょうか。
「私は、スーツケースのお忘れ物があったことですね」。慌てていたりすると、大きなものほど忘れてしまうこともあるものかもしれません。

お忘れ物を問い合わせる時に伝えることとは…

お忘れ物を問い合わせる時に、どんな情報を伝えれば探しやすくなりますか。


検索条件をつけてお忘れ物の捜索を行います

「日時や場所・内容を伝えてもらうことはもちろんですが、落とされたものの形や色、それ以外の細かな情報があればあるだけ見つけやすいと思います。例えば『ビニール傘』だけでも本当に膨大な数があるんです」。

見せてもらったお忘れ物の傘の中でも、ビニール傘だけでも山のようにありましたね。

「長傘か折り畳み傘か。持ち手の色や形、材質は? 持ち手にブランド名やシールを貼っているなどの目印は入っているか? 傘部分は何色か、柄はあるか、無地か?など細かく伝えてもらえばもらうほど、見つけやすくなります」。


傘のお忘れ物捜索表。折り畳み傘でも細分化されています

お忘れ物をした時、大事なものであるほど焦って何から伝えればよいのかわからなくなることもありますよね。問い合わせ時に、基本的なことを伝え忘れてしまう人もいらっしゃるのだそう。まずは、落ち着いてお忘れ物をした状況を整理してから伝えることが大切なのですね。
そして今後のために、私も改めて傘の柄の部分には何か目印をつけておこうと感じました。

お忘れ物自動受付サービスは24時間対応の便利なシステムです


お忘れ物自動受付サービス担当の原さんと前田さん

続いてお忘れ物自動受付サービスのことも調査しました!今回、取材させていただいたのは、阪急電鉄 運輸部 お客様サービス担当 原健太郎さん(左)と前田律暉さん(右)(2024年2月現在)。

阪急電鉄のウェブサイト内にある、チャットボットサービスやコールセンター業務を担当されている原さんは阪急宝塚線で車掌などを経験された後、2019年のチャットボットサービスの立ち上げ時から現職に。前田さんは阪急大阪梅田駅での駅業務を経て現職に就いた、まだ入社1年目の若きエースなのだそうです。

お忘れ物自動受付サービスは24時間対応!

まずお忘れ物自動受付サービスがどのようなものか教えてください。
「阪急電鉄のウェブサイトからお忘れ物の登録や捜索結果の確認が24時間いつでもできるサービスのことです」と原さん。

どのようなサービスなのでしょうか。

「各駅に届けられたお忘れ物は、すべてシステムにデータ登録されています。お忘れ物の登録をしていただければ、そのお忘れ物をスタッフが捜索。それらしきお忘れ物が見つかったか・見つかっていないかなどの結果を24時間いつでも確認いただけるサービスです。ただ、お忘れ物の登録は24時間できますが、捜索についてはスタッフが行いますのでお忘れ物を登録いただいてからある程度の時間(下図参照)をいただきます。例えば、21時にお忘れ物自動受付サービスに登録していただいたら、その捜索結果は翌日の10時以降に確認していただくことができます」と前田さん。

お忘れ物自動受付サービス 受付時間と回答時間


お忘れ物の受付が完了した時刻により、結果確認の回答時刻が異なります

お忘れ物をした時は、とにかく不安ですよね。また、お忘れ物に気が付いた時が夜中ということもあるのではないでしょうか。そんな時でも、このお忘れ物自動受付サービスなら24時間いつでもお忘れ物の登録ができます。こんな便利なサービスは利用者も多いのでしょうか。

「そうですね。お客様からも『安心しました!』『助かりました!』といううれしいコメントが届くこともあります。お忘れ物自動受付サービスの認知度があがるにつれ、年々利用される方も増えておられます」。

使いやすさを常に考えて、シナリオ仕立てに

そんな便利なお忘れ物自動受付サービスですが、試行錯誤の連続でしたと原さん。
「実は、お忘れ物自動受付サービス導入は当初、自由文でお忘れ物の登録をお願いしていました。この時は、お忘れ物の特徴がわかる情報登録が少ない方も多くて…。どのようにすれば、お忘れ物の情報を細かく登録いただけるか社内で常に調整・検討していました。結果、チャットボットが尋ねる質問形式にしたことで、細かい情報登録までわかりやすくできるようになったことから、利用率もアップしました」。

<お忘れ物自動受付サービスのお忘れ物受付方法>

阪急電鉄のウェブサイトを開きます。スマートフォンやPCいずれからでも登録することができます(アプリなどのダウンロードも不要です)。ページを開いたら、下部に出てくる青色の矢印ポップアップのお忘れ物自動受付サービスをクリックします。


阪急電鉄ウェブサイトのトップページから右下部のお忘れ物自動受付サービスのボタンをクリック

お忘れ物の登録だけならスムーズにいけば5分ほどでできるので、お忘れ物に気付いたら真っ先にお忘れ物自動受付サービスに登録をすることをおすすめします。チャットボットの質問に沿って回答するだけで登録が完了するので、気が動転していたり、慌てていたりしても安心です。

「お忘れ物の詳細な情報を登録していただくほど、捜索する私たちも早く見つけることができます。またお客様にとっても、お忘れ物をされた状況やお忘れ物の情報を改めて整理・再確認しやすいという声もいただきます」と原さん。

お忘れ物自動受付サービスは、お忘れ物の登録をされたことで安心されるのか、実際にお忘れ物が見つかった結果が出ていても、捜査結果を見ておられないのかお忘れ物を引き取りにこられない方もおられるのだそう。またお忘れ物の登録が早すぎて、捜索結果に出てこないこともあるそうです。

「お忘れ物を登録されたら、ぜひ捜索結果まで見てもらえるとうれしいですね。また、1度登録してお忘れ物が出てこなくても、その後にお届けがあることもあります。一度入力いただいたデータを利用できる、再登録機能もご用意しておりますので何度でもお忘れ物自動受付サービスに登録して利用してもらえれば」と笑顔でお二人が話してくれました。

電話と同じくらい利用してもらえるように…

以前よりは利用率も増えているというお忘れ物自動受付サービスですが、まだまだ電話でお問い合わせをされる方が多いのだそうです。


梅雨時、傘の中でもビニール傘のお忘れ物はとにかく多いのだそう

お忘れ物をされた時、「まずは電話で確認を!」と思う方も多いかもしれませんが、お忘れ物にすぐに気が付いた時や、すぐ確認ができる時であれば電話で。電話する時間がない時や、早朝や夜中など電話の受付対応時間外にお忘れ物に気付いた時などはお忘れ物自動受付サービスへ登録と、使い分けるのも良いのではないでしょうか。

「まだまだ電話でのお忘れ物のお問い合わせが多いので、お忘れ物自動受付サービスをより多くの方に利用してもらえるようになるのが私たちの目標です」。

まとめ

今回取材させていただいた皆様は「お忘れ物一つ一つにお客様の思いが詰まっていて、大切なものを失くされて困っている方に寄り添い、役に立ちたい」という強い思いのもと、業務に就いておられました。個人の私物について、こんなにも親身に考えてくれる方がいることに気付いたうれしい取材となりました。雨や梅雨時の傘や冬の時季のマフラーや手袋など、お忘れ物にはみなさまくれぐれもご注意くださいね。

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、阪急沿線アプリで連携しているグループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)に対する質問も受け付けています。
みなさんも気になるものや知りたいことが見つかった時は、ぜひ「阪急沿線おしらべ係」まで質問をお寄せください。

こちらの記事もおすすめです!

阪急沿線おしらべ係の
最新記事をチェック!

「おしらべ係」のトッコが調査した記事を、定期的に追加しています。阪急沿線アプリのインストールや阪急沿線情報誌TOKKの公式X(旧Twitter)のフォローで、最新情報を簡単にいち早くチェックできます。ぜひご利用ください。

「おしらべ係」トッコ

「おしらべ係」のトッコが調査した記事を、定期的に追加しています。阪急沿線アプリのインストールや阪急沿線情報誌TOKKの公式X(旧Twitter)のフォローで、最新情報を簡単にいち早くチェックできます。ぜひご利用ください。

最新の記事一覧を見る