【阪急沿線おしらべ係 第20回】
高槻市駅~上牧駅間に、白い馬が…屋根の上にいる!

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【2021年1月配信】

読者のみなさんからお寄せいただいた、阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを、阪急沿線おしらべ係のトッコが調査する「おしらべ係」。

前回、前々回と2回に分けてお送りした十三駅の「号線」の謎は、

「記事を読んで、初めて気が付きました」

「8号線を探す楽しみができました!」

などなど、みなさんから感想をいただいております。毎日何気なく利用している駅にまつわる意外な事実は、何かの役に立つわけではないですが、知るとなんとも言えない満足感が得られるうえ、いつもの駅がちょっと違って見えてくる面白さがありますよね。

今回もまた、「探す楽しみ」がある街ネタをお送りします!

高槻市駅と上牧駅の真ん中辺り、白い馬が屋根にのったお家があります。何でかなぁ~って思っております。

という質問を読者の方からいただきました。

実は質問をいただいたのは随分前。いただいた情報を元に探すものの、なかなか白馬を見つけることができなかったのです。

車窓の右側なのか左側なのか?線路から近いのか遠いのか?大きさは?

おしらべ係の投稿画面では個人情報はお聞きしていないので、質問された方に詳細をお聞きすることもできず、京都線に乗った際に探すようにしていたのですが......。見つからないなぁと諦めた心で、ぼんやり外を眺めていた時、ついにその姿を発見!

場所がわかれば、後は動くのみ!現地へ行ってみましょう!

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のどかな町の珍風景

ようやく見つけた場所を地図で確認すると、やや上牧駅寄りにありました。

ということで、

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新幹線と併走する阪急電車が見られる、鉄道ファンにはおなじみの名物駅・上牧駅へ。

地図を見ながら新幹線の高架沿いを20分ほど歩いて行きます。ここを曲がった先に、白い馬がいたはず。

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近づいていくと...

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ん??あれ...か...??

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発見!!!

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いました。真っ白な馬が。屋根の上に。

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もっと近づいて観察してみましょう。

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筋肉や骨も見える締まった体。息をして今にも動き出しそうなほどリアルです。車窓からはその存在を捉えることで精一杯でしたが、かなり精巧に作られている様子。

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どうしてこんなところに馬が?

駅から離れていることもあって、あたりは田園風景が広がるのどかなエリア。食品会社の工場やショッピングセンター、大きな幹線道路もすぐそばですが、人通りは少なく、ここだけぽっかりとゆっくりとした時間が流れています。

そんなところに、突然、白い馬。

白馬といえば、お姫様を迎えにいくための王子様必須の乗り物、愉快な音楽で回り続ける遊園地のメリーゴーラウンド、あるいは神様の乗り物としての神馬、、そんなイメージで、この風景とはちょっと結び付きにくい......。

ますます疑問が浮かんできます。

なぜ、ここに、白馬が、しかも屋根の上にいるのか。

白馬が乗った建物は、事務所になっているみたいなので、ここの方にお話を伺ってみましょう!

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建物の持ち主である、建設業「総建」の木下さん。高槻市内を中心に道路の舗装工事などを行っている会社の社長さんです。

早速ですが、どうして屋根の上に白い馬が乗っているのでしょう?

「この事務所は以前、隣の事務所にいる内装屋の人に貸していて、その時に、その人が知り合いからもらってきたんです」

今から10年近く前のこと。

この白馬、実は、和歌山県の自動車販売会社で店舗のオブジェとして使われていたもので、本物の白馬と同程度の大きさだそう。

内装屋の隣人の方は、知人から白馬が捨てられると聞き

「捨てられるなんてかわいそうで...それやったら引き取ろうと思って」

と、譲ってもらったそう。

さぞかし重かろうと、総建さんも協力し、所有する一番大きなトラックで荷台に吊り上げるための道具も準備して、いざ和歌山へ。さぁ運ぼうと白馬を持ち上げてみると、「大人一人で持てるやん」という軽さに、思わず笑ったそうです。

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ところが引き取ってきたものの、置く場所はない。「ここに置けば、近所の幼稚園の子どもたちが喜んでくれるのでは」と、最初は事務所の入口前に置いたのでした。

思っていた通り、かわいいお馬さんは子どもたちに大人気。子どもだったら、乗りたくなってしまいますよね。

けれども子どもたちが怪我するなど何かあっては危険...と、大人4人で1階の屋根の上に持ち上げワイヤーで固定し、眺めてもらうことにしたのです。

馬主さんですか?町のランドマーク的存在

それから10年近く経った今も、通りかかった人や子どもたちが写真を撮っていく姿を時折見かけるそう。

知り合いから「電車から見えてんなぁ」と報告されたり、「馬主さんなんですか?」と見知らぬ人に声をかけられたりすることも。

過去には、スマホの町歩きゲームのスポットになったこともあり、わざわざ白馬を目指して訪れる人もいたそうです。

今回投稿いただいた方のように「何のためにあるんですか?」と聞いてこられる方も少なくなく、隠れた珍スポットになっている様子。

通り行く人をほっと和ませてくれる白馬は、屋根の上という少し高い場所から、町を温かく見守ってくれているようにも見えてきます。

で、阪急電車からだとどの辺で見えるの?

「毎日京都線に乗っているけど、白馬が見えるなんて知らなかった!」

「最近はスマホばかり見ていて、外の景色すら見ていない...」

という方、いらっしゃるかもしれません。

大阪梅田駅から京都河原町方面へ向かう際に、右の窓の外をよーーーく見てみてください。

黄色い三角屋根の工場を過ぎ、田園風景が現れたら、はい!ここから集中!

家と家の間に、一瞬、ほんの一瞬!!見えます。

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(この記事の冒頭の写真と同じ写真です。ここにちらっと見えている)

実は最近、白い馬と阪急電車の線路との間に新しくお家が建ち、質問を投稿いただいた時より少し見えにくくなっているんです。

瞬きする間に通り過ぎてしまうので、目を見開いてチェックしてみてください!

ちなみに、京都河原町方面から大阪梅田駅へ向かう時は、かなり見つけにくいです!

まとめ

車窓から一瞬だけ見える不思議な白馬のオブジェ。

「もっと電車から見える北側に移動しようかな〜」

「ニンジンの絵を壁に描いたら?」

と、最後に事務所のスタッフの方達で話が盛り上がっていらっしゃったので、いつか楽しい光景が車窓から見えるかもしれませんね。

最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。阪急沿線おしらべ係では、阪急電鉄だけでなく、阪急沿線アプリで連携しているグループ会社(能勢電鉄、阪急バス、阪急タクシー)に対する質問も受け付けています。

みなさんも気になるものや知りたいことが見つかった時は、ぜひ「阪急沿線おしらべ係」まで質問をお寄せください。

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