【阪急沿線おしらべ係 第12回】
石橋阪大前駅付近でやっている今年の「ゑびす男」は誰だ!

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【2020年1月配信】

みなさんが阪急沿線の街ナカで見つけた「気になること」や「面白いもの」などを調査する「おしらべ係」。

「おしらべ係」も、2年目に突入!

これまでのバックナンバーは「おしらべ係」のタブからご覧いただけますので、お時間ある時に良ければチェックしてみてくださいね。

さて今回取り上げるのは、トッコが別の取材で石橋阪大前駅付近を歩いている時に気になった、このポスター。

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ゑびす男選び??

七福神の一柱、恵比寿様と思しきキャラクターが、ジャージ姿で走っています。

イベント自体の説明は、どこにも見当たりません。

14回目というだけあって、街の人には「何も言わなくてもわかる」ということでしょうか??

この「ゑびす男選び」とは、一体どんなイベントなのか。早速調査してきました!

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一番が一番ではないレース

「『ゑびす男選び』とは、大阪大学にある阪大坂を参加者が一斉に駆け上がって、その年のまち一番の福男・福女を決めるレースです」

そう答えてくれたのは、「ゑびす男選び」のイベント立ち上げ時から運営に関わっている堤さん。創業90年を超える石橋商店街のベーカリー「タローパン」の店主です。

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走って福男・福女を決める......

それ、どこかで聞いたことがあります。

「ゑびす男選び」は、阪大生と石橋商店街のコラボイベントとしてスタート。

西宮神社の「十日えびす」で開催される開門神事「福男選び」へのオマージュと、商売繁盛を願う商店街との共同企画ということから「ゑびす男選び」と名付けられました。

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第3回ポスター

「ゑびす男選び」の特徴は、

「一番でゴールした人が、一番になるわけではない」ということ。

ゴール地点に3つの法被を吊り下げ、ゴールの先着順に法被を選びます。

そして、選んだ法被の襟に書かれた番号が、最終的な順位になるというルールなんです。

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「人生、運も必要ですから」と堤さん。

第1回開催時は約50人が参加し、夕方のテレビニュースでは、西宮神社の「福男選び」と並んで「ゑびす男選び」の様子が放送されたそうです。

最近は、ほとんど告知していないにも関わらず200人以上が参加する、街の恒例イベントとして定着しています。

阪大坂ってどんな坂?

レースの会場となる阪大坂は、広大な大阪大学豊中キャンパスの西端にあります。

阪大のシンボルとも言える坂で、夏場は特に阪大生を苦しめているそう。

「ゑびす男選び」で参加者が走るのは、阪大坂の手前、商店が並ぶ道路のスタート地点から約350メートル

コースは、門の横にあった構内マップで確認してみましょう。

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1つ目のコーナーを右折した後、ぐるっと大きく180度のカーブがあります。

実際に阪大坂を歩いてみると、前半は緩やかな坂道でさほど辛さは感じないのですが、中盤から急に勾配がきつくなり、脚にグッと力が入ります

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振り返れば宝塚方面の山も見えるくらいの高さ。

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曲がり角カーブ、後半にグッときつくなる勾配

上位を目指す参加者の勝敗を分けるポイントになりそうです。

わずか1分の戦い

イベント当日。

朝5時半過ぎに会場についてみると、受付場所の前にはすでに列が。

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スタート位置のポジションは先着順で好きな場所を選べるので、好位置を狙う人は受付時間前から並ぶそう。

スタート時間までは、それぞれウォーミングアップしたり、全員でラジオ体操をしたり。

2歳くらいのお子さんから60・70代くらいの方まで、様々な年齢層の方が参加されるようです。

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7時30分。

紙製の横断幕が設置されると、

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太鼓の合図と共に、大人の部に参加する約130人が一斉にスタート!!!

横断幕を勢い良く突き破って、先頭集団が走り出します!

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コーナーをトップ集団が走り抜ける!

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走る走る走る!!

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ネズミも走る!!

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ここから勾配がキツくなる!本気。必死。

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だんだん足が上がらなくなってきます。

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ゴール順に列に並ぶ参加者たち。

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「ゼーハー、ゼーハー......」

と、肩で息をして呼吸を整えたり「キツい...」と言葉を漏らしたり。

スタート前までの笑顔がすっかり消えています

一方、トップ走者は56.2秒でゴール!(世界記録となった昨年の55.70秒には及ばず)

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1分もかからず、過酷な坂を駆け上がったのでした。

大人の部の後は、子どもの部が行われ、

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ゴールでは、池田市のイメージキャラクター・ふくまるくんが、小さいお子さんをお出迎え。

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今年のゑびす男はこの方!

レース後は、商店街のスタッフが準備したお雑煮が振舞われます。

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みなさん、さっきまでの疲労が吹き飛んで安堵の表情。

つきたてのお餅を頬張る顔は、まさにゑびす顔です。

そしていよいよ表彰式。

上位3人が手にした法被を広げ、「運」を確かめます。

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最終結果は、ゴール順と同じ順に!

女性1位の「ゑびす娘」、子どもの部トップの2人も加わって表彰台へ。

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見事「壱番ゑびす」に選ばれたのは、大阪大学大学院2年の広兼さん(後列中央)。陸上400mハードルの選手で、「ゑびす男選び」は初参加だそう。

しかも、阪大坂を上るのはこの日が初めて

「今朝下見した時にラストが勝負だなと。ゴール100m前で、前に出ました」。

「弐番ゑびす」の本間さん(後列右)は元陸上部で、広兼さんと同じ研究室に所属。

本間さんは昨年2位でゴールし、運で「壱番ゑびす」となった方。「広兼くんは速いので、今年も運で勝とうと思っていた」とか。

今年は運の強さも広兼くんが持っていたようです。

阪大キャンパスでの学生生活が3月で終わる二人。最後の良い思い出になったかもしれませんね。

その後、全員参加の抽選会が行われ、集合写真で幕を閉じました。

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まとめ

阪大坂を舞台にした熱気あふれる真冬のイベント「ゑびす男選び」。

レースでありながらも「あの坂を走り切った!」という一体感があり、終始あたたかで和やかなムードでした。

夏には坂道を生かした巨大な「流しそうめん」のイベントも行っているそう。(手作りの竹のそうめん台は全長50メートル!

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敬遠される坂を強みに捉える。

学生と商店街の緩やかな取り組みに、街の明るい未来が見えたような気がしました。

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