【阪急沿線おしらべ係 第10回】
曽根駅前のランドマークに潜入
【2019年11月配信】
阪急沿線でふと見つけた「気になるもの」や「面白いもの」などを調査する「おしらべ係」。
通勤中の車窓から見える建物や、歩いている時に見つけた看板、不思議なオブジェなど、
普段、何気なく眺めている当たり前の景色の中に、「よくよく見たら気になる」というものがあります。
今回は、そんなひとつ。
阪急宝塚線、曽根駅前の、ヴァイキングビル!!
一度見たら忘れられないインパクト。
毎日宝塚線を利用されている方は、もはや「日常の風景」の一部になっているかもしれません。
また、「曽根と聞いて思い浮かべるものって?」と聞かれたら、必ず挙がるのではないでしょうか。
この、曽根のランドマークとも言えるヴァイキングビルとは、どんなビルなのかを紐解くために、今回は調査してきました!
改めてよく観察してみましょう
大阪梅田駅から宝塚線の普通電車に乗ること13分。
曽根駅の駅舎に入る手前で目に入ってくるのが、この迫力のある勇ましい姿。
ビルの南側の外壁に描かれているのが、ヴァイキングです。
こうしてアップで見てみると、なかなか怖い...。
このヴァイキングの巨人、どのくらいの大きさなのでしょうか?
建物の高さは約25メートルあり、絵はそのうちのだいたい6割くらいなので、
身長15メートル、といったところでしょうか。
次に、ビルの西側(曽根駅側)にでーーーーんと描かれているのがこの壁画。
色が褪せてきていますが、よく観察してみると、
聖子ちゃんカットの女性がいたり、
レオタード+頭にバンダナ姿だったり
こちらの男性は、往年のアイドルを彷彿させるヘアスタイルだったり。
ビシバシ漂う昭和感...!
特にボウリングの絵。
いつも電車の中から、この人と目が合いませんか...?
こちらに目線を向けて指を差す人物と、ボウリングのピンが弾ける躍動感、
後光が差しているようにも見える床の木目による効果、
素人目線ながら、人の視線を集めるためのテクニックが凝縮しているような気がします。
.
次に、ビルの入口がある東側へ行ってみましょう。
東側の壁面に絵は描かれていません。
が、ちょっと変わった外観です。
建物の側面が斜めにカットされたようなデザインで、上階に向かってフロアが狭くなっています。
どの階も日当たりが良さそうですね。
ヴァイキングビルの歴史を振り返ってみましょう
存在感抜群のヴァイキングビル、一体、いつからこの壁画があるのでしょうか?
建設から現在に至るまで、ヴァイキングビルのオーナーさんが複数変わっているのですが、調べたところ、壁画を施した当時のオーナーである不動産会社さんにたどり着きました。
ビル自体が建ったのは、1970年8月。
お話を伺った不動産会社さんがオーナーに変わり、巨大な絵が完成したのが1982年のこと。
今から37年前です。
当時の日本の音楽界は、アイドル全盛期の時代。それが壁画にも表れていますね。
建物に巨大な絵を施したのは、やはり「目立つように」とのことで、相当なお金がかかったそうです。
壁画が描かれた当時は、絵の通り、テニススクールとボウリング場、スポーツジムに加えて美容室や焼肉店などが入居していたとのこと。
壁画は37年間ずっと変わっておらず、壁の洗浄と照明機器の設置を1度だけ行ったことがあるのみです。
1985年の曽根駅周辺の空撮写真があるので見てみると......
光で反射していて少し見づらいですが、ヴァイキングビルは今と変わりないことがうかがえます。
(横の曽根駅は、まだ高架化される前ですね)
ところで、「なぜヴァイキングだったのか?」
気になるところです。
ですが、残念ながら当時の担当者がすでに退職されており、資料も残っていないため、その意図は不明とのことでした。
ヴァイキングビルの中はどうなっている?
「ヴァイキングビルの存在は知っているけど、中がどうなっているのかは知らない」
という人は多いのではないでしょうか。
現在のヴァイキングビルはどんな様子になっているのか、見に行ってみましょう。
入口には大きなボウリングのピンのオブジェ、そしてちょっとレトロな看板があるエレベータホール。
駐車場側の入口にも、味わいが増している案内板があります。
フロアガイドを見てみると、
1階には美容室などのテナントさんが入っていて、上の階に、スポーツジムとボウリング場、テニススクールがあるようです。
壁画と同じ!
2階へ行くには、外の階段を使わないといけないようなので、いったん外へ移動。
巨大ヴァイキングの壁画の直下にある外の階段を上った先にあるのが、スポーツジム「トライアクシス豊中」さんです。
広々としたロビー、ここもちょっとレトロな感じで良いですね。
廊下の照明が珍しいデザインでかわいい。
入ってすぐのジムエリアでは、常連さんたちが汗を流していました。
蛍光灯24本による照明がなんかスゴイ。
奥には女性専用のジムエリアやスタジオもあり、ワンフロアにひと通りそろっています。以前はプールもあったとか。
こちらのジム、お風呂が広いそうで、運動の後にゆっくりできるのはうれしいですね。
次はエレベーターホールに戻って、4階へ行ってみましょう。
「VEGA曽根ボウル」さんです。
壁に描かれた陽気な絵が、いい感じにテンションを上げてくれそうです。
レンタルシューズのボックスも、ちょっとレトロ。
卓球台もあります。
ボウリング場は平日昼間でも、30レーンあるうちの3分の2くらいが埋まっていて、プロのレッスンを受ける方、シニアの方々、小学生のグループ、一人で練習する方などでにぎわっている様子。
なんだかほのぼのする風景です。
最後は、6階の「エル・エストナショナルテニススクール ヴァイキング」さんへ。
ヴァイキングビルのロゴが壁に大きく描かれた屋内テニスコートが3面、テニスグッズのショップや休憩ルームも備えています。
屋上にもコートがあるということで、見に行こうと階段を上っていると、
壁が階段にせり出している箇所が。
これ、ビルの東側の傾斜部分だと思います。壁が斜めになっているので、階段も横斜めにのびていて、ちょっと不思議なゾーン。
そして、その先にあるのが屋上のコートです。
周りに高い建物が少ないせいか、思った以上に開放的!!!
今の季節はかなり気持ちが良いです!
網の向こうには梅田のビル群や北摂の山々も見えて、阪急電車の音も聞こえます。
「お昼や夕方の時間になると、1階の焼肉屋さんのいい匂いが屋上まで漂ってくるんですよ...お腹が空きます。笑」
とスタッフの方。
ここを利用した後は、1階の焼肉屋さんに直行してしまいそうです!
これで、1階から屋上までヴァイキングビル内の探検は終了です。
まとめ
阪急電車の車窓から見えている、巨大な壁画。
壁画に描かれた、スポーツジム、ボウリング場、テニススクールは、それぞれ運営会社がこれまで複数変わっているものの、当時と変わらず、それぞれ今も営業されていることが分かりました。
また、各施設のスタッフの方に話を伺って共通していたことは、「何十年と通ってくださっている方がいる」ということ。
地元の方に支えられて、こうして長年、存在しているんですね。
「曽根のランドマーク」として、これからも末永く続いていってほしいものです。
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